2013年3月15日金曜日

ホワイトデーと飴業界の陰謀

「ホワイトデー公式サイト」によると、日本のホワイトデーは1980年に始まった全国飴菓子工業協同組合が企画した飴の販促イベントで、バレンタインのお返しをする日だそうな。こじつけはいろいろあるけれども、バレンタインだってさほど変わらないのだから、当然こちらのほうも香典返しのような感じで、いただいたチョコの金額を少し上回る感じでお返しするのが日本的な付け届け、四季のご挨拶の流儀である。

同組合で組織されたホワイトデー企画委員会は、ホームラン製菓(株)高柳全孝社長が委員長を務め、篠崎製菓(株)篠崎新一郎社長、(株)みやこ飴本舗中西信雄社長、宮川製菓(株)宮川光市社長が委員を務めたと記されている。それ以前にもマシュマロやクッキーを贈るという菓子会社の営業努力は行われていたとのことだが、いわばこの委員会でひとつにまとまったというわけだ。

宮川製菓は昔ながらの飴職人シリーズを販売する老舗の会社だし、みやこ飴は京都の御所飴本舗からわかれた有名どころ、篠崎製菓は現在はライオン菓子という名前で「ライオネスコーヒーキャンディー」などの製品で知られた会社である。問題は、委員長を務められた高柳全孝氏のホームラン製菓だ。いくら調べてもこの会社はわからない。

そこで、全国飴菓子工業協同組合に電話した。そうしたら、ホームラン菓子という会社は権利が譲渡されて今は存在せず、高柳社長も飴業界を辞められて他業界で活躍されている、ということだった。残念である。もっと聞きたいことはあったのだけど、有名どころの雑誌取材でもないのに当時のことをよくご存じない電話口の方に時間をとっていただくのはいかにも心苦しく、受話器を置いた。いつかどこかで飴をなめなめしながらインタビューしたいと思うが、叶わないだろうな。

ところで、「保険の窓口 インズウェブ」が調べたところによると、ホワイトデーのお返しの相場は、バレンタインの1.6倍が平均値だという。調査によると、「男性がホワイトデーに用意するプレゼントの予算は、本命が平均4882円、義理が平均907円」である。5000円の飴をあげる人はいないだろうから、本命にはアクセサリーや洋服などをお返ししているのだろう。チョコレート会社の陰謀は年々確実なものになっているが、飴屋のほうはどうも予定どうりというわけでもないようである。

ご存知の方も多いと思うが、韓国では来月4月14日をブラックデーと称して、バレンタインズデーにもホワイトデーにも縁がなかった男女が黒い物を食べる日だ。日本でも全国海苔貝類漁業協同組合連合会(全海苔連)あたりが海苔の日にしたらいいのに思ったが、「海苔の日」はすでにあって2月6日。日本最古の成文法「大宝律令」に海産物が租税とされたと記されており、その施行された日を西暦換算した2月6日を海苔の日にしたとホームページに記載がある。伝統的な食べ物だし、カジュアルな扱いをしてはいけないのだ。

しかし、飴のほうだって歴史は古い。日本書紀に飴が登場するのはファンタジーかもしれないが、8世紀の古文書には「阿米(あめ)」という記述があるという。飴は米や麦芽から作られた糖で砂糖とは異なるものだ。今でいえば水あめみたいなものだ。古くは貴重品で、薬や珍味であったらしい。

電話してしまったあたりから、書こうと思っていたことと路線が全くずれてしまった。それにしても、ホワイトデーのほうがバレンタインに比べていかにも寂しい感じがする、そしてその想いが書きながら強まったと感じる。今書いていて気がついたのだけれど、バレンタインズデーは「バレンタイン」と略せるが、ホワイトデーのほうは「ホワイト」と略せないあたりですこし負けているのかもしれない。そもそも二番煎じではあるけれども。

この話、結論はないので、最後に「【卒業制作】アメと無知」でもご覧あれ。いい味出してて寂しくなるよ。

(残念ながら「【卒業制作】アメと無知」はYouTubeから削除されてしまったようです。)
  • ホワイトデー公式サイト
    http://www.candy.or.jp/whiteday/
  • ホワイトデーのお返し、バレンタインの1.6倍=インズウェブ調査(2013-02-28 16:00)
    http://stock.searchina.ne.jp/data/disp.cgi?id=1272856
  • 飴(Wikipedia)
    http://bit.ly/fWMgPf
  • 平成23年 菓子生産数量・金額 推定結果 コメント(平成24年3月29日)
    http://www.eokashi.net/siryo/siryo08/h2403.pdf