2013年9月20日金曜日

おきゃくさま4象限

仕事でいろいろな人と出会ったり、ネットだけで出会わなかったりする、という忙しい時期を乗り越えてきたわけですが、ほんとにいろんな人がいます。他人の話を遮るのが趣味の人、すぐ怒る人、理詰めでキツキツに攻めてきて妥協しない人、全然知らないくせに知ったかぶりして平気で反論する人、それに果敢に挑んで、でも結局泣かされて謝るオレ、などなど。

年をとってきますとね、他人(ひと)というのがなんだかわかったような気になってくるもんです。その人に激しく叱責されている時でも、それを上空で見ている「オレ」みたいな存在があるわけです。幽体離脱しているか、半分あっちの世界に行っているか、気もそぞろなのかどれかだとは思うんですがね。

そんな幽体離脱視点で見ていると、仕事では、4つのタイプを見分ければいいんじゃないかと思い付いたのです。単なる思い付きですけどね。

それを見分ける方法が、イケイケ-モジモジ座標系です。イケイケな人たちはだいたい自信満々で、声が大きくて、ガハガハ笑ってくよくよしないタイプ。社長さんやできる営業さんに多いです。対するモジモジくんは、自信がなくて声が小さくて、怒られたりするとすぐシュンとなって顔に出るタイプ。

で、これにその人の実力みたいなのを重ねるんです。モジモジだけどすごくできる人ってのもいるし、イケイケなのに全然わかってないアホボンもいる。そういう4象限で仕分けしちゃう。

できイケ系

実力もあるし、イケイケな性格。ベンチャー起業した社長さん的なタイプ。この手の人はだいたいお金持ちだし、仲良くするとすごく良いことがあるんですけれど、他人(ひと)の気持ちはわからない人が多い。しかも、私のような凡人はついて行くのが大変です。

でも、イケイケの人ってみんなが「できる人」ってわけじゃないってのが経験則かな。

だめイケ系

イケイケなのに本当は実力がない。そのことに気が付いている人はまだましだけど、自分がだめ系だってことに気が付いてない人はほんと厄介。一緒に仕事すると、分かってないのに文句ばっかり言うし、こういう人は早めに見切りたいのですが、あなたができる人だと放してくれないかも。

できモジ系

エンジニアなんかに多いね。あんまりできる人って雰囲気を出してないけど、「脱いだらしゅごいぜ」みたいな人ね。こういうのは、ちょっとカッコイイと思うけど、だいたいあんまり評価されてなくてお金持ちじゃないんだよね。ときどき「もじもじ」が悪さをして、「コミュニケーションができてない」って批判される。

だめモジ系

ごめんなさい。残念です。でも、こういう人に限ってすごくいい人なんだよなぁ。憎めない。友だちにするのに最高だし、一緒に仕事してうまくいかなくっても怒りは湧いてこない。

イケイケ-モジモジ座標系の図


これは、私の周りにいる頭に浮かんだ5人をそれぞれイケイケ-モジモジ座標系に書いてみた図です。Aさんは、イケ普通。わりと遠慮なくガンガンやってくれるし、そこそこものもわかってるから祭り上げて頑張ってもらうタイプの人。いつもお世話になってる。BさんとCさんはエンジニアさん。私の周りでは典型的です。Dさんはつきあいやすい普通の人。たまに飯おごってくれたり、気を使って電話くれたりする優しいおっさん。それに、めんどくさいEさん。

あなたの周りにいる人も、こんな風に分析してみたら、付き合い方もうまくいくかもよ。

そもそも仕事しないで他人(ひと)をこんな風に類型化してとらえて喜んでる段階で、もうだめモジなひとな気がしなくはないんだけどね。オレが。

2013年9月19日木曜日

大人の器

天草栖朗という人がこの夏「遺作」というアルバムを出した。10曲納められたアルバムは「ひねもす」の電波みたいな音から始まるから最初は驚くが、天草栖朗を演じている山作戰の他のアルバムよりもはるかに聴きやすい。中でも「大人の器」という松本清張ばりのタイトルの歌が好きだ。

「なぜこんなに苦しいの」から始まって「世間にしかられて」「自分のズルさ」「責めさいなむ」「甘えたい」「満たせない」と心を切り裂く言葉が畳みかけてくる。恋の歌のストーリーで書かれているのに、「大人の器」から日常の期待された「大人」について連想させられて、だんだんつらくなる。恨み節のようにも聞こえる歌なのに、いやだからこそ聴きたくなる凄みを持っている。この曲を書いた人の生き様が、まっすぐに何の飾りもなく、とってつけたポジティブさや希望の飾り付けも排した形で、刃(やいば)を前にしたように語られる。その語りに深く心をえぐられるのだ。何度聞いても涙なくしては聞けない、だれにもかけなかっただろう曲。

ただ、決してネガティブな気持ちになるわけではない。何事も解決しないにせよ、涙を流すことは苦しみを洗い流す魔法である。そして自分自身に直面し、立ち向かうことでもあるのだと言い聞かせて前を向いている。

  • 天草栖朗作品集 『遺作』はメール便なら送料込み2,500円で購入できる。ぜひ聞いてほしい。http://www.yamasakusen.jp/mise/
    1.ひねもす/2.並木道/3.ふたりのいる朝/4.温度/5.ぼくもいない街/6.いなもと/7.ぼくもないている/ 8.だいっきらい/9.大人の器/10.ディナーショウ の10曲
  • 山作戰のウェブサイトはこちら http://www.yamasakusen.jp/
  • SoundCloudでの試聴もできる